表現の自由 freedom of expression 2003 11 20
憲法によって保障される「表現の自由」には、「放送の自由」が含まれる。
しかし、この「放送の自由」には、
新聞や雑誌などの活字メディアにはない「特別な規制」がある。
つまり、新聞や雑誌などの「表現の自由」より、
放送の「表現の自由」は狭いと考えられる。
このような公的規制があるのは、なぜか。
第一に、放送用電波は、有限であり、また公共性が高く、
特定の事業者に、電波の排他的使用権を認める制度となっていること(放送局の免許制)。
第二に、放送は、直接、家庭に入り込み、動画や音声を伴う点で、
他のメディアにない、強烈な影響力を及ぼすこと。
第三に、テレビ番組は、スポンサーによって、時間単位で買われることになるので、
自由放任にすると、番組編成が、「大衆受け」をするような画一的なものになる恐れがあること。
「特別な規制」
無線放送については、電波法によって、無線局の開設は、免許制によって規制されている。
放送法によって、放送番組の編集にあたり、留意すべきこと。
一、公安および善良な風俗を害しないこと。
二、政治的に公平であること。
三、報道は、真実をまげないで行うこと。
四、意見の対立している問題については、多角的に論点を明らかにすること。
五、教養、教育、報道、娯楽の四種類の番組について、調和を保つこと。
また、放送番組審議会の設置が義務づけられている。
しかしながら、特定の事業者に、電波の排他的使用権を認める免許制度によって、
放送事業者の質が、目立って、低下している。
このような状況では、電波の排他的使用権を認める必要はない。
免許制度は廃止し、原則、届け出制とすることにより、競争を促し、
放送の質を維持すべきである。
このような規制によって保護された業界は、腐敗する。
放送業も、「規制緩和」すべきである。